司法書士の持つ訴訟代理権
司法書士の持つ訴訟代理権 弁護士とよく業務内容で誤解されることの多いのが「司法書士」です。司法書士というのは依頼人に代わって、法律上の手続きの代理をしたり、相談を受けたりすることが本業となっています。 例えば、住宅などの不動産の登記申請や、会社を立ち上げる際の登記申請などの依頼を受けた時に、法務局に行って依頼人の代わりに手続きを行います。また、審査請求の手続きにおける代理業務も司法書士の仕事です。 なお、法的行為の代理業務なので、法務局だけではなく裁判所に対する訴訟の代理も行います。ただし、訴訟に関する代理業務では司法書士の代理可能範囲が限定されます。 司法書士が行えるのは、「簡易裁判所」における訴訟手続きや支払督促手続き、民事調停手続きなどです。そして、訴訟目的や紛争目的の金額が簡易裁判所で扱える140万円以下に限られます。 当然、刑事事件の訴訟代理権は司法書士にはありません。つまり、弁護士の独占業務を司法書士が行うことはできません。 ちなみに、訴訟代理権は無くても、裁判所に提出する訴状や準備書面、検察庁に提出する告訴状などの書類を作成する代理業務を行うことは可能です。実は、2002年までは司法書士には訴訟代理権が認められていませんでしたが、法改正によって、認定司法書士だけが簡易裁判所における一部の訴訟を代理できるようになりました。